もくわく産地だより:岐阜 / 木や森のこと
水でつながる海と森 @岐阜県郡上市 白鳥林工
2023.09.29(Fri)
記録的な猛暑(酷暑?)だった夏も、彼岸を境にようやく過ごしやすくなってきたでしょうか。
こんにちは。
岐阜 長良杉を担当している白鳥林工です。
もくわく仲間が6地域になりました。
全都道府県制覇まで、残り41地域です。
■長良杉という名前の由来
各産地ごとに名前を付けている「もくわく®」、岐阜県は「長良杉」としています。
長良杉という名前の由来は、岐阜県内を流れ伊勢湾に注ぐ「長良川」にちなんでいます。
岐阜に住んでいるので当たり前だと思っていましたが、馴染みのない方だと「ながよし」と読まれる方もいるようで、これを機会に「ながら」と覚えて頂くと幸いです。
長良川は、郡上市、美濃市、関市、岐阜市等を流れ愛知県と県境を有しながら、三重県を経て伊勢湾に流れる一級河川となっています。
木材の輸送に、トラックや鉄道が無かった時代、筏を組んで運んでいたこともあるようです。今では想像すらできませんが、苦労してでも運ぶだけの貴重な資源だったということでしょう。
「長良川河口堰」をご存知でしょうか。
1994年(平成6年)に長良川河口堰が出来るまで、本州で唯一の本流に堰の無い大きな川でした。
本流においては、河川法で規定されるダムが存在しないことでも知られている長良川です。
■大日ヶ岳から伊勢湾へ
さて、長良川の源流はというと、郡上市の大日ヶ岳(だいにちがたけ)となります。
大日ヶ岳は、郡上市と高山市にまたがる1,709mの山で、ここを源流として、富山湾に注ぐ庄川、福井県から日本海に注ぐ九頭竜川、そして伊勢湾に注ぐ長良川が流れだしています。
郡上の中心を流れる長良川は、この地に暮らす私たちに多くの恵みを与えてきてくれました。
今シーズンは終わってしまいましたが、川の恵みとしては、鵜飼が有名ですね。
あと、鮎の友釣り。
長良川の鮎は美味しいと有名です。
流域は違うのですが、和良川の和良鮎も賞を取るほどの美味しさです。
川と山、ますます切り離せなくなりますね。
■想いの馳せ方はいろいろ
「もくわく®」が目指す姿の一つに「地域」がテーマとしてあります。
前回の白鳥林工の記事(https://mokuwaku.jp/20230221-2/)で、『多面的機能を持ち合わせている森林の機能として、(中略)。登山、森林浴、最近ではキャンプも人気ですね』と書かせて頂きました。
今回紹介させて頂いた「大日ヶ岳」は、登山を楽しむことができます。
登山ルートとしては、「ひるがの高原ルート」「ダイナランドスキー場ルート」「桧峠ルート」があり、TABITABI郡上のページで分かり易く紹介されています。
https://tabitabigujo.com/appeal/trekking/2/
さて、上の3ルート以外に知る人ぞ知るマイナーなルート
「鮎走古道(あゆばしりこどう」
「大日ヶ岳東縦走路(だいにちがたけひがしじゅうそうろ」
があります。
余りにもマイナーなため、利用自体が少なく、整備も行き届かなくなってしまったようでした。
そんな現状を目の当たりにした弊社の従業員が「大日ヶ岳を色々なルートで楽しんで欲しい」という想いから、ボランティアで整備をしてくれていました。
まずは見通しの悪くなっていた笹薮を刈り払うことからです。
この9月に麓からのメインルートの刈払いを終えることができ一安心ということで、沢山の方に使って頂きたいという想いから、弊社のブログで公開しております。
http://shirotori-rinko.seesaa.net/article/500710390.html
http://shirotori-rinko.seesaa.net/article/500879359.html
ルートの上部にはブナ林が広がっていて、森林浴を楽しむことが出来ます。
笹刈りの作業の間も、昼食や休憩時にはこの風景に癒されてました。
ふと足元に目を向けると、杉の稚樹が生えていました。
周りは広葉樹ばかり。
どこからか花粉が飛んできて、芽を出したのでしょうね。
所々に枯木があるかと思えば、新しい芽が出ている。
自然の中では、長い時間をかけて新陳代謝が繰り返されています。
普段は見過ごしがちな自然の摂理に、ふと気づかされます。
さぁこれからは紅葉シーズン。
紅葉の登山を楽しまれる方も多いかと思います。
厳しい冬を超えると、残雪の白山を眺める事も出来る大日ヶ岳。
どの季節も、その季節の山を楽しむことができます。
山頂からは雄大な山々を眺め、人間のちっぽけな存在を再認識することができるのではないでしょうか。
「木は自然からの贈り物」
謙虚な気持ちで、ものづくりを続けていきたいと思っています。
白鳥林工協業組合 石ヶ谷