家具の使い捨てをしない、一生付き合える「もくわく」は、
人にも地球にもやさしい暮らし方を提案する小さなお店が企画し、
日本の森林を守る各地の製材所、木工所で作られています。
企画・運営
親元を離れて暮らすようになって〇十年。
結婚して、子育てし、引越しは3回程経験しましたが、家具を捨てた記憶がありません。
…というか、本棚や食器棚など、家具というほどのものを持たずに生活してきました。
代わりに何があったかというと、それは、木箱。
必要に応じて少しずつ増やしながら、それを並べたり、積んだりしていろいろなものを収納をしていました。
ある時は積み上げてキッチンカウンターに、またある時はダイニングテーブルの脚になる木箱たちは、
家に来てくれるお客様に興味を持たれました。
粗大ごみとして出される家具を見かけると、
「みんなも我が家みたいに暮らしたら、こういうゴミが減るのに」と思ったものです。
ただ、当時私たちが使っていた木箱は、周りの人にそのままおすすめできるものではありませんでした。
とてもラフな作りで、ささくれていたり、大きさにばらつきがあって、重ねてもグラグラしたり、高さが揃わなかったり。
そして、収納したいもの、例えば、ストック飲料や収納に困る土鍋やカセットコンロなどが入らなくて、
残念な思いもしていました。
そこで、
これらを解決する新しいツールを日本の木でつくってみよう!!
と決めたのです。
構想から数年。
材料と大きさを吟味し、試作を繰り返して、
ようやくここまでたどり着きました。
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もともと日本の家屋は木を主とした自然素材で構成され、解体時でも廃棄物が少ないのが特徴です。
畳や建具の大きさが決まっているので、引っ越しや建替えをしても、前の家のものが使えたといいます。
また、簡単な大工作業は自分で行い、家のこと(木のこと)を気軽に相談できる大工さんが近くにいました。
「近くの山の木で、すまいを構成する」
「捨てない、循環する暮らし方」
“もくわく”が、そんな素敵な日本の暮らしのエッセンスを、現代につなぐものになったらいいな。
“もくわく”を沢山の人に使ってもらい、“もくわく”を作ってくれるところが日本中に広がっていけばいいな。
そう思っています。
店主 浜谷冨美子
製造
家具づくりのプロということもあり、自身で使う暮らしの道具はほとんど自分で作ってきました。
デザインについてはこだわるところはこだわりますが、
用が叶えられていれば、シンプルなほうが使っていて心地よく、そしておさまりもきれい。
次第に家で使う家具はシンプルな構造で使い勝手がいいものをつくるようになっていきました。
そんな折にであったsumaoの浜谷さん。
究極のシンプルさを追求した木の箱を作りたいと熱く熱く訴えかけられました。
しかもそれをできるだけ買い求めやすい価格で、と。
正直、悩みました。
同様の商品は安いものから高いものまでいくらでもあるし、自分がそこに関わる必要もないのでは。
一度話を寝かせ、一度断り、それでも半年ほど「もくわく構想」がぐるぐると頭の中に居続けました。
シンプルだからこそどんな生活にもフィットする収納家具。
テーブルやデスクにも応用できるカスタマイズ性。
気軽に日本の木でつくられた家具を取り入れることのできるアイテム。
世の中の使い捨てをなくしたいという切なる願い。
そんな浜谷さんの思いがふつふつと僕の心を温め始め、どんどん熱を帯び、
しまいには、「やりましょう!」と返事をしていました。
損得だけで考えていた自分自身を責めました。
多くの人がより豊かな暮らしを送るため、より世の中をよくするため
やらなければいけないときはあるんです。
そこから材料、構造、価格、流通・販売など何度も何度も話し合いを進め、
一緒に林業の現場にも出向き、一緒にもくわくの試作を何度も行いました。
気づいたら1年半が過ぎていました。
これだけたくさんの時間をかけて生み出した「もくわく」
一人でも多くの人に手にとってもらいたいと思います。
代表 和田 賢治
製造
その出会いは、今思えば必然だったのかもしれません。
以前からお付き合いのあったツバキラボさんの、名古屋での展示会に顔を出したのは2019年初夏。
その場に、sumaoの浜谷さんがいらしてました。わざわざ京都から。居合わせたのは、ほんとに偶然でした。
弊社は住宅の造作用建材として、巾接ぎパネルを販売しています。
自社で製造・販売していますが、取引先は工務店さんが多く、いわゆるBtoBといわれる取引形態です。
商品には自信があります。木が持つ本来の姿を長所も短所も含め、もっと多くの方に知って貰いたい。木製品を日常の生活の場に届けたい。木や森がもっと身近な存在とならないだろうか。
「個人さんに直接届けられる商品を作れないものか」という想いを、数年前から悶々と持ち続けていました。
ツバキラボさんにも相談したりしましたが、日々の業務に手一杯で踏み出す余裕が生まれませんでした。
そんな時期に相談を頂いた”もくわく”でした。
初めての出会いから1年後、”もくわく”の動画を作りたいということで、林業の現場と工場(こうば)をご案内しました。
『森から暮らしへと繋がるストーリー』
日々描いていた思いが、そこに表現されていました。
さらに半年が経ち、壮大な”もくわく”プロジェクトがいよいよ始まりました。
何かのご縁で繋がった”もくわく”です。”もくわく”を通して、日本の森林に思いを馳せてくださることが理想ではありますが、まずは手に取って、使い倒して欲しいと思います。岐阜から始まりはするけれど、日本全国に広がるといいな。
担当 石ヶ谷繁樹
製造
木材という資源は、石油とは違って、何度も再生産できる資源です。人類にとって、木との共生は、持続可能な未来に向けて、とても大切なことだと考えます。吉野では500年前から木を植えて、育てて、その循環を実現してきました。
山で植えられた木々は、適正に管理することで、保水力の高い土壌を形成し、大雨による土砂災害のリスクを軽減することに繋がります。もちろん、二酸化炭素を吸収、固定することで地球温暖化の抑制にも役立っています。そして、木は伐採された後は、暮らしの中で使われます。安心安全な素材である木は、人の健康や幸福にも貢献します。木との共生は、私たちにとって、良いことばかりです。
ですが、木が使われないと、山は荒れ、持続可能な循環を止めてしまいます。
現代では、身の回りに木が無くても、何不自由なく、暮らすことができます。ですが、木のある暮らしは、私たちの日々の生活に潤いが生まれ、未来の子や孫に向けて、豊かな森林を繋げることにもなります。
家まるごとを木にすることは理想かもしれませんが、大きなお金も必要ですし、今すぐは難しいこともあります。
「もくわく」は、工業製品の家具と比べると値段が高いかもしれませんが、木の雑貨よりも大きいので、素材を実感できますし、香りも感じやすいです。木のある暮らしのはじめの一歩に、ちょうど良いと思います。ぜひ、多くの皆さんに使っていただきたいです。
吉野中央木材 石橋輝一
製造
シェアウッズは、地域資源としての木材をものづくりを通して 活用し地域の経済の中で循環するような木材流通の仕組みを作ろうと様々な活動をしてきました。
近年のSDGsの取組みやサステナブルといったキーワードを各所で耳にするようにはなってきて、私どもの仕事や活動について関心を持ってくれる人が増え始めているのはとても嬉しいことです。ただこのような取組みはすぐに結果が出るようなものではありませんし、結果がでたからといって すぐに撤退(売り逃げ)できるような(して良いような)事業ではありません。本当に続けることの大切さを痛感しています。
この10年で色々な種類の地域材(街路樹を含めて)をレスキューし、その特性や状態を生かしながら色々なものを作ってきました。六甲山鉛筆という本当に小さな商品から丸太一本をそのまま 商業施設や飲食店に納めたり、家具や床材等の内装材はもちろん、生木や枝や葉っぱや木の根っこに至るまで思い当たる活用方法はなんでもチャレンジしてきました。
その活用方法の一つとして「もくわく」というワクワクな商品に出会うことができました。商品というより、もうこれはプロジェクトですね。他の地域のメンバーも同じ考えかと思いますが、 「もくわく」という一つの媒体を発信することで、モノを売るというよりそれぞれの地域の山が抱えている課題を共有したり、それぞれの地域のことを知ることでより山や木に対する愛情が深なることを実感しています。皆さんにとっても単にものを買うという行動の前に、その地域に関心を 持ったり、社会全体の課題に興味を抱いたりするようなきっかけになれば本当に嬉しいと思いま す。もちろん、もくわくが売れるのが一番嬉しいですが笑。
シェアウッズ ヤマサキマサオ
製造
八女流は江戸時代から続く林業地「八女」で林業を持続可能な形にしようと取り組んでいます。
昔は煮炊きするにも薪を使い、家を含めた生活の道具も木で出来ていて生活の中で森は身近な存在でした。都市化や分業化が進む中、いつしか身の回りには作った人の顔が見えない製品があふれています。
地元の大工が建てる木造住宅が一般的だった時代とは違い、今は生活する中で木を目にする機会は激減してしまいました。木に触れる機会が無くなると木の良さを知る人も減ってしまい、森への関心も失われてしまいます。
私たちが暮らす上で大切な空気や水を作り、貯めている森を守るには適切に管理し続けることが必要で、そのためには木を使うという経済活動と結びつける必要があります。
もくわくはsumaoのはまやさんが引っ越しを繰り返す中で木箱を必要に応じて組み替えて様々な使い方をしていたことから発想された商品です。それも、大・小・スリムといういくつかの絶妙なサイズを組み合わせることで生活スタイルが変わったから買い替えるのではなく、用途を変えて長く使い続けられるのが特徴です。
森から伐り出された木を長く使うのは想いを持って山の手入れをしてきた人の想いにも報いることになりますし、もくわくという商品をきっかけに日本の森に興味を持って欲しいと思います。
産地ごとに樹種が違ったり、同じ樹種でも重さや色味が違ったりするのを楽しみながら、愛を持って長く使い続けてもらえたら嬉しいです。
株式会社八女流 沖 雅之
製造
製造
製造
製造
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