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トークイベント〜京町家×もくわく みんなで語ろう木の文化〜開催報告

2026.03.22(Sun)

3月15日に開催された「長江家住宅公開トークイベント〜京町家✖️もくわく みんなで語ろう木の文化〜」のご報告です。

町家が好きな人、住んでいた人、職場が町家だった人、学生さん、木造住宅の設計をしている人、古民家の管理をしている人、エシカルについて発信中の人、とにかく木が好きな人など、様々な方にご参加いただきました。

もくわくからは、
奈良県 石橋 輝一さん 吉野中央木材株式会社 
滋賀県 岩松 洋さん 株式会社流域デザイン
兵庫県 山崎 正夫さん Share Woods.
大阪府 田中 由虎さん 有限会社田中製材所

京町家作事組からは
辻 勇治さん (株)辻工務店
末川 協さん   末川協建築設計事務所
が登壇いたしました。

石橋さんからは
吉野の林業、室町期からの密植・長伐期の歴史に根差し、年輪の詰んだ緻密材を生産していること、その木は酒樽・醤油樽材などとして重宝されてきた歴史。
ずっと繋ぎたい町家に、木が使われている。林業自体が疲弊しているが、この町家を支えるための林業。そんな日本の林業が頑張っていけるようにしたいとのお話し。

岩松さんからは、山林管理のお仕事や、雪や日陰に耐えて育つ年輪の詰まった天然杉について。また、伐採後、その地に元々育成していた樹種を植える森づくりについて。使い手と山側の距離を縮め、こんな材なら、この山のココにありますよと言えるくらい管理をしていきたいとのこと。

山崎さんからは、明治後半に防災・景観目的で大規模植栽(広葉樹中心)された表六甲と、針葉樹人工林の裏六甲。神戸市の森林整備戦略(平成24年頃〜)を契機に、低付加価値とされた材の活用相談に対応していること。特に、表六甲の広葉樹では、多樹種・不揃い材の標準化が難しいことなど。

田中さんからは、街の材木店・製材所として、定型の材の提供というより、材の個性を活かしたり、個別のニーズに対応するなどする事業を実施していること。現代の住宅や建設現場では山の事情山の時間軸と都市のニーズ、スピードが合っていないことなど。

末川さんからは、木と土と紙で構成される町家の改修。昭和期にまるでビルのように改修されたもの(看板建築)を、元の町家の状態に復元したり、祇園祭の船鉾や鷹山に関わる設計などについて。

辻さんからは、合板や接着剤・金物で固め、力で受け止める現代建築と、揺れを木軸や土壁でやわらかく受け止め力をいなす伝統建築について。そんな伝統建築の町家を扱う大工だが、将来、弟子たちの代に、仕事があるのか、不安だという話。

登壇者から、ひととおりお話しをお聞きして、長江家を案内していただきました。
案内人は、長江家の髙木良枝さんと、作事組のお二人。

長江家二階座敷

使われている木材の種類や仕上げ、表には見えない木構造のことなど、を教えていただきました。
また、質問に答えられない(わからない)ことを、みんなで考える(推理しあう)場面もありました。

再度座って参加者全員でのお話し。

・今の住宅はローンが終わったら壊すくらいの30〜40年サイクル。昔は120年生の木を使って、120年持つ建物(長江家)を作る。森のサイクルで考えられていた。

・木材という資源も有限であるので、輸入に頼るのではなく、国産材で。そのことは、日本の林業を考えることでもある。

・林業・製材・大工のどの段階においても、その職人、そして使う道具自体の不足が危機的状況。木造住宅(町家の新築)を含め、仕事をつくっていくことが大事→木を使おう!!

参加された方々からは、
・元々町家や木のことが好きだったのだが、林業の世界については知らないことだらけだったので、この会に参加して良かった!
そして、なにより、

  • 町家も木も実際に触れてみることで、わかることや、さらに興味が湧くのだ

ということ。

  • 本物の木を手軽に暮らしに取り入れられ、森とつながることができる

「もくわく」が欲しい!
と言ってもらえたのがなによりでした。

  • 京町家の伝統や技術を残し、木のある暮らしをあたりまえにしていきたいですね