森で木を伐(き)る人のきもち @岐阜県郡上市 白鳥林工

2025.12.03(Wed)

こんにちは!

もくわく 岐阜 長良すぎと岐阜くりの加工を担当している白鳥林工です。

白鳥林工がある岐阜県郡上市白鳥町にも一気に冬が到来し、紅葉が綺麗だと思っていた山の景色も、上の方が白く染まる日々が始まりました。

白鳥林工には、森で木を伐(き)り丸太として運び出してくる林業部隊と、
丸太から板、そして板を横に接着させパネルにする木材加工部隊がいます。

もくわくのスタートは、森で木を伐るところです。

今日は、木を伐る人のきもちをお伝えします。

22年間森で働く、笑顔が素敵なTさん

どうして林業を続けているか

他の仕事をしていた30代のこと。

一次産業に関心があり、縁あって白鳥林工で林業の道へ入りました。

高さ20m超の重たい木が地面に倒れるとき、どうしても少なからず木を痛めてしまいます。

チェーンソーで木を狙った方向に倒すのはとても難しい。それでも狙った場所に、できうる限り木を大切に倒せたとき、そして木を傷めずに運び出せたとき、とても嬉しくなります。

先人たちが木を植えて、60年間育ってきた木の価値を決めるのは、切り出してくる自分たちです。色んな人の想いを形にできたときの喜びは他には代えがたいです。

そして、林業はスポーツに似ていると思います。

技術を高め、上手にできると嬉しいし、次の作業を考えてチーム全体で現場を仕上げていくことが、とても楽しいです。

林業は危険な仕事です。

1本1本太さも生え方もバラバラの木を平地ではない山の斜面で切り倒すと、どんなに注意をしていても木が思いもよらない動きをしてケガをすることがあります。

それでも、それを超える喜びがあるから続けています。

山が好きで、林業が天職だと思って22年間働いています。

木をつかうということ

自宅はなるべく地元の木、それも自分たちで切り出し加工した白鳥林工の木材で建てました。

自分の好みもありますが、娘に山のよさ、木のよさを知ってほしいと思って木の家にしました。大人になり家を出た娘が時折帰ってくると、「やっぱり木の家はいいな」と言ってくれます。
建ててから16年が経過し、家の雰囲気もだいぶ変わりました。これから更にどんな経年変化をしていくのか、楽しみです。

木の実やキノコ、山菜などの食べ物、そして木という山の恵みを受けながらの生活はとても味わい深いものがあります。

もくわくを通して、街で暮らす皆さんに木や森の味わいを感じてもらえたら嬉しいです。

なかなか人の目に触れる機会が少ない林業ですが、Tさんをはじめ、“天職だ“と言って林業に関わる人に何人も出会いました。

暑い日も寒い日も山へ出かけていき、木を伐り、植えて、育てる。
朝早く出て、暗くなったら帰ってご飯を食べて休む。

なんだか現代の街の暮らしとは離れているように見えるかもしれません。

しかし、もしかしたらより人らしい暮らしなのかもしれませんね。

もくわくは、各産地での山で木を伐る人の生活があって皆さまの暮らしに届いています。
どんな人が今日も山で木を伐っているのでしょうか。

山で暮らす人の話はとても魅力的です。

木を伐る人に、一度でもいいので出会って話す機会を持ってもらえたら嬉しいです。