もくわく産地だより:福岡 / 木や森のこと

製材所のお仕事 @福岡県八女市 八女流

2023.01.30(Mon)

こんにちは。

福岡県の八女市星野村というところで製材所をしている八女流の沖です。

昔は日本全国あちこちにあった製材所があったのですが、今ではほとんど見かけない地域も多くなりました。

調べてみるとちょうど60年前の1963年がピークで全国に25,000軒もあったのが、2021年には3,948軒と84%も減少しているようです。

そんなこともあり、普段目にしない製材所の仕事を簡単に紹介したいと思います。

製材所の仕事は一言で言うと、

丸太のままでは使いにくい木を柱や板などの四角い形に整えること

です。

まず、買ってきた丸太はそのまま製材機にかけるのではなく、皮むきをします。

皮をそのままにしておくと虫食いができ、製材した時に虫食い跡が残ってしまうためできるだけ早く皮を剥くようにしています。

皮を剥いた丸太は帯鋸で製材します。送材車に丸太をセットして帯鋸に向けて送り出すことで丸太を挽いていきます。

八女流では杉の無垢フローリングをメインに製造しているので主に43mmと38mm、20mmの3種類の板を取るようにしています。出来るだけ無駄なく製品が作れるよう歩留まりと節が出来るだけ少なくなるように考えながら製材をしています。

製材した板はそのままだと使っていくうちに水分が抜けて曲がったり反ったりするため、乾燥を行います。

八女流では乾燥機の設定温度を65℃と低めにすることで木が本来持つ脂分などが抜けにくいようにしており、出来るだけ自然に乾燥させた場合と艶や風合いが変わらないようにしています。

牛乳に例えると120℃3秒で高温殺菌した牛乳と75℃15秒で殺菌した牛乳では牛乳の風味が異なるように、木材も乾燥の温度で艶などが変わってきます。

最後の仕上げはモルダーと呼ばれる6軸加工機でフローリングなど製品の形に成形加工を行い、完成です。製品は出荷前に検品をしてから自社トラックで建設現場に納品しています。

木から木材になることで家を建てたり、家具を作ったり職人さんが製品づくりを出来るようになります。

森と職人さんをつなぐのが製材所の役割です。

次回はもくわくを八女流の板で作ってくれている家具職人さんを紹介したいと思います。

 

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