産地・樹種を知る
≪田中製材所≫
大阪は、森林面積が一番少ない都市ではあるものの、 奈良吉野林業の影響を受け、およそ300年前から、スギやヒノキの人工造林が行なわれてきた林業振興地であり「河内林業地」と呼ばれていました。
大阪府の南東部、奈良・和歌山両県との境にある葛城・金剛・岩湧山系に連なる森林は、歴史的な史跡が多くみられるエリアです。
河内地域の気候や土壌が木材の成長に適しているため、高品質な材木が育ちます。
これらの木材は、「大阪河内材」と呼ばれ、耐久性と強度が高く、特に檜は耐水性と防腐性に優れており、長寿命の建築物に適しています。
また、木目が美しく、特有の香りがあるため、内装材としても人気があります。
さらに、河内材は、伐採から加工までの一貫した管理が行われており、その品質管理の徹底も高い信頼性の一因です。
これらの特徴から、河内材は伝統的な建築や現代の建築プロジェクトにも幅広く使用されています。
モノや情報、人が集まる、ものづくりのまち 大阪
そんな大阪らしい「もくわく」として、サーモウッドという選択をしました。
同じひのきでも他の産地のものとは全く違う、深い茶色の見た目と燻した香りが特徴の材となっています。
加工することによって風合いが変化した、大阪ひのきの「もくわく」をお楽しみください。
高温水蒸気で特殊な熱処理した木材で、以下のような特徴があります。
1. 耐久性の向上
サーモウッドは、180〜230度の高温で無酸素状態にさらされることで、木材の構造が変化し、腐朽菌やシロアリに対する耐性が向上します。
このため、屋外での使用にも適しています。
2. 寸法安定性
高温処理により木材の含水率が低下し、膨張や収縮が抑えられるため、寸法安定性が向上します。
これにより、環境の変化による木材の変形が少なくなります。
3. 環境に優しい
サーモウッドの製造プロセスは、化学薬品を一切使用せず、高温と水蒸気だけで行われます。
そのため、環境への負荷が少なく、持続可能な建材として評価されています。
4. 美しい外観
高温処理により、木材の色が深くなり、美しい外観が得られます。
特に、無垢材の自然な風合いを生かしたデザインに適しています。
5. 軽量化
熱処理により、木材の密度が若干低下するため、軽量化が図れます。
これにより、施工が容易になるという利点があります。
6. 低吸水性
含水率が低いため、吸水性が低く、湿気による影響を受けにくい特徴があります。
これにより、木材の劣化が遅くなります。
サーモウッドの処理は、住之江に拠点を持つ越井木材工業さんの力をお借りしています。
有限会社田中製材所は、大阪府羽曳野市に位置する木材加工専門企業です。
1893年(明治26年)に創立、1957年(昭和32年)に法人化。
地域の木材資源を有効活用とストックされた住宅の利活用の2軸で考え、持続可能な木材利用を推進しています。
また、木材以外にもエネルギーや防災など多岐にわたる分野での活用を模索し、地域社会への貢献を目指しています。
タリモールは、田中製材所が運営している大阪府太子町にあるクリエイティブスペース。
大阪ひのきの「もくわく」も、タリモールで完成します。
タリモールは、木材の製材や加工を行う製材所の機能だけでなく、ギャラリー、撮影場所、イベントスペースとしても活用されています。
この場所は、建築家、デザイナー、クラフトマン、アーティスト、学生など、クリエイティブな活動を行う人々が集まるコミュニティとなっています。
タリモールでは、異業種間のコラボレーションを通じて、マルシェイベントや子供向けの教育プログラム等 持続可能なライフスタイルや社会の課題解決を目指したプロジェクトを展開。
単なる製材所以上の機能を持ち、地域社会や異業種間の交流を促進する場の役割を担っています。
https://tanakayoshi.co.jp/talimall.html