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もくわく津久井の「森侖舎」さん登壇!〜神奈川県森林協会の広葉樹利活用研修に参加しました〜
2025.09.12(Fri)
神奈川県森林協会の研修に、もくわく津久井の「森侖舎」渡邉さんが登壇すると聴いて!


zoomでも参加ができるとのことで、聴講いたしました。
プログラムは以下
○講義
・里山広葉樹林の利活用を通じた再生に向けて
㈱モリアゲ 長野麻子代表
・里山広葉樹林の更新と利用
富山県西部森林組合 代表理事組合長 森松 亮
・広葉樹材利活用の取組
神奈川県県央地域県政総合センター森林保全課 松崎 加奈恵主査
・地域に密着した広葉樹の木工
木工アトリエ森侖舎 渡邉 聡夫
○パネルディスカッション
テーマ【広葉樹林再生、広葉樹材活用】
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㈱モリアゲの長野さんからは、

日本の森が立ち行かなくなっている現状を。
林業という営みがなされていた針葉樹の人工林だけでなく、広葉樹の多い里山林も現在、「放置里山林」と言われて問題になっている。
ナラ枯れや、野生動物の問題も、この放置された森をどうするかが問題解決のポイント。
問題は山積みだが、各地では、里山広葉樹の活用がいろいろ工夫されていて、その各地の取組の紹介をしてくださり、これからも、「モリアゲていきましょう!」
というお話し。
ちょうど夏に旭川に行き、旭川家具の北海道産広葉樹利用の取組について見聞きしてきたところだったので、私的にはグッドタイミングでした。
富山県西部森林組合 森松さんからは、

富山県で実施されている里山林の循環利用について。
富山ではキノコ栽培のためのオガ粉の需要がとてもあるそうで、広葉樹の材としての出口があるとのこと。
森の更新(木を伐ってまた森に戻す)のために、
「どんな木を、どれくらい、どのように伐るか」
という仕組みが、試行錯誤の上に整いつつある感じで、実際の森の現場で働いている参加者の方から、色々質問が飛び交っていました。
私が面白いと感じたのは、
”皆伐”したら、笹で覆われてしまったり、アカメガシワなどが蔓延って、森にならない
とか
里山のメンテナンス・安全対策のための”ツル性植物を切ること”の重要性
とか。
山の管理のことは全く素人ですが、ちょっと広めの庭の管理を「大地の再生」等の考え方で実践していて、なんだか通じるなぁと思いました。
そして、萌芽更新(ぼうがこうしん)という言葉も初めて知りました。
広葉樹では、萌芽更新で森を再生していくことが多いということも含めて、私には新しい知識として得られ、なんかマニアックかもしれませんが、嬉しかったです。
神奈川県の松崎さんからは、

県の広葉樹材搬出支援事業や、需給マッチングなどの取組を。
この中で、渡邉さんのご紹介もありました!
いよいよ、木工アトリエ森侖舎 渡邉さん。

木工家として、地域材を使うことに特化して活動されていることをお話しされました。


↑ 「もくわく」のことも!!

地域材を使うため、山から製材・乾燥までのネットワークを構築し、様々な工夫をされていて、実際やったからこそわかる、使えない(使いにくい)広葉樹とかのお話し、面白かったです。
※森侖舎さんの取組は、もくわくの産地紹介や、動画でも見てもらえます!!
最後には、ちゃんとオチがある渡邉節で締めくくられていたのもサスガ(笑)
全員でのパネルディスカッションでは
人工林の針葉樹の活用は建材としてあるが、広葉樹の活用そして、森の更新についても、まだまだこれから。
しかし、動物(鹿)との共生の仕方、行政の支援のあり方もいろんな地域で実践されつつあるので、情報の交換などで高め合っていけばいい。
そして、ここでも、地域の製材所の重要性が話題になっていました。
樹は、丸太のままでは使えないので、材にするために、製材所が必要。
津久井の尾崎製材さんのような小さな製材所が残っていけるようにしていかなくてはと。
いずれにしても、広葉樹のことは、今、皆が学び合っている時期。
昔は、広葉樹活用などの言葉はなく、一括りに「雑木」と言っていた。
「山に何の木が生えているのか(目の前の木はなんなのか?)を知ったり、更新(森の再生)の仕方や活用について学んでるのは楽しいよね!」
「森づくりは、長い生業だから、諦めずにやって、次世代に繋ごう!」
と4人と会場で盛り上がっていました。
聞き応えある研修会でした。
1ヶ月間は、神奈川県森林協会のWEBでこの様子が配信されているそうです。
※最後のシメの部分、渡邉さんの音声が入っていないのが残念
sumao浜谷