もくわく産地だより:埼玉 / 木や森のこと
新しい産地 西川林業地域ってどこ?
2024.09.09(Mon)
8月にリリースしました新しい産地、西川林業地域の担当をさせて頂いております西川Raftersの若林と申します。
産地紹介ページにも掲載しましたが、改めて西川林業地域のご紹介をさせて頂きます。
新しい産地の西川ってどこ?
西川林業地域は埼玉県の南西部に位置するエリアを指します。
白地図専門店 https://www.freemap.jp/ より引用
青い四角で囲ったエリアにある飯能市、日高市、毛呂山町、越生町が西川林業地域のエリア
市町村エリアとしては、飯能市、日高市、毛呂山町、越生町の2市2町、流域としては、荒川支流の入間川(名栗川、成木川)、高麗川、越辺川が範囲です。
該当エリアには、昔も今も”西川”という地名は無い!!
国内の有名な木材といえば、吉野杉や尾鷲桧など、その産地の地名が付くことが多いです。
しかし、この地域に、“西川”という地名はありません。
では、どうして“西川材”となったかというと、それは、
江戸の都から見て“西”の“川”から運ばれてくる木”材”だから、です。
江戸時代は、都で火事が起きれば、その様子がこの地域の山の頂上からも知る事ができたそうで、そこから、都の木材需要を予想していたと言われています。
そうした都の“木材倉庫”として重要な役割を果たしていたことから、“西川材”の名前が付いたと推測されます。
西川林業地域の特徴
この地域の林業的な特徴として、立て木の文化があります。
これは、育ててきた木を一斉に伐採する時(皆伐といいます。)に、1ヘクタール(ha、1haは、10,000㎡)あたり10~15本くらい残しておいた木の事を指します。
残しておく木は、特に良材がとれると見込まれる木であり、その後100年にわたって育て、大径材をとれるようにします。
そうして育てられた立て木は、寺社仏閣などの大型の建築物に一品ものの材として使われてきました。
そういった木材は高値で取引されることが多かったため、立て木は山主の不測の出費にも備える意味で大切にされてきました。
現在でも立て木と思われる大径木が、当エリアの森林の各所にみられます。
しかし、木材の価格が全体的に低い値段で推移している昨今、山主もそれを出品する意欲がそがれてしまっています。
中央左よりの太い木が立て木
江戸の頃より林業が行われ、明治期は盛んに人工林施業が行われてきたと言われる西川林業地域。
中心地域の飯能市では、市面積の約75%が森林であり、さらにそのうちの約82%が人工林です。
全国の人工林率が40%程度であることと比較すると、伐って・植えて・育てるという林業のサイクルを、多くの方々がされてきたことがうかがえます。
市の山間部を移動していると、どこも針葉樹の森林ばかり。
一年中緑の木々が見られるという意味では、とても目に優しい地域です!
冬の景色。手前の落葉広葉樹は葉が落ちていますが、奥の針葉樹の山は深い緑です。
ハイキング道が多数あり、バーベキュー場やキャンプ場なども多くあるこの地域。
都心からも近く、週末のレジャーにはもってこいのエリアです。
ぜひ遊びにいらしてください。