もくわく産地だより:神奈川 / 木や森のこと
新しい産地 ”津久井ってどこ??” @神奈川県相模原市 VOL.1
2023.07.03(Mon)
6月から「津久井杉のもくわく」の製造を担当している、森侖舎の渡邉です。
東日本の産地で初、神奈川県のもくわくですが、神奈川といえば大都市の横浜、川崎、そして古都鎌倉、さらに湘南の海! サザンオールスターズ! というイメージではないでしょうか。
そして多くの皆さんが思われたのではないでしょうか。
「津久井ってどこ?」
ということで、今回は津久井地域のご紹介です。
現在、津久井町という地名はありません。2006年以降の市町村合併や2010年に相模原市が政令都市になることによって生まれた相模原市緑区のうち、旧津久井郡だった津久井、藤野、相模湖の地区を津久井地域と呼ぶことが多いようです。
位置的には神奈川県の北西の端っこになるので、大垂水峠を越えれば東京都、甲州街道を西に進めばすぐに山梨県という場所です。
<相模原市のホームページ より>
相模原市のみどりと河川の分布図を見ると一目瞭然、緑色のところが「緑区」。
名前の通りです。そしてそのほとんどが津久井地域です。
<相模原市のホームページ 相模原市の自然環境より>
現在の相模原市は森林率が約60%で政令指定都市の中では高い割合かもしれません。
それは津久井地域が相模原市になったからなんです。
そんな津久井地域の森林ですが、河の流れ(流域)によって相模川流域と道志川流域の大きく2つに分かれています。
<相模原市のホームページ 相模原市の自然環境より>
丹沢山地の北側になる道志川流域の一部には標高の高い地域があり、人の手が入っていないブナなど自然林が見られますが、ほとんどは何らかの形で人が利用してきた森が広がります。そして相模川、道志川流域ともに針葉樹と広葉樹の割合が半分ずつというのがこの地域の特徴かもしれません。
スギ・ヒノキなどの針葉樹を中心として人の手によって植えられた人工林がある一方で、薪や炭作りに利用されたコナラ・クヌギなどの広葉樹林が広がっています。
この地域は江戸時代には江戸の町に木材を供給していた記録があります。昭和の初めのころまでは相模川と道志川を使って、伐採した木を筏にして下流に流し、相模湾から東京湾に船で運んでいたそうです。
また薪や炭も同じように川の水運を利用していたそうで、江戸の町のエネルギーを支えていたのですね。
冒頭の写真は、その津久井地域にある相模湖とその森です。
ここは、木材生産の林業地、神奈川県の水道水を賄う水源森、そしてリクリエーションとしての森林利用など、多面的な森林利用が行われる場所になっています。
ぜひ一度、津久井の森に遊びにいらしてください。
津久井杉のもくわくは、森侖舎でお受け取りいただくこともできますよ!
そんな森侖舎からの便り・・・津久井については、VOL.2も続きます。
お楽しみに!